不動産を売却するとき、
「売り出してから何か月くらいで売れる?」
「売買契約をしたら、すぐに代金を受け取れる?」
「半年後までに売りたい場合、いつから動けばいい?」
と気になる方も多いのではないでしょうか。
不動産売却は、査定を依頼してすぐに現金化できるものではありません。
不動産会社への査定依頼、売出価格の決定、販売活動、購入申込み、売買契約、決済・引渡しという流れで進みます。
また、物件によっては測量や相続登記、住宅ローンの完済・抵当権抹消に向けた手続きなどの準備が必要になることもあります。
この記事では、不動産売却にかかる期間の目安と、売却が長引きやすいケースについて、不動産売買の流れに沿って解説します。
不動産売却にかかる期間の目安

一般的な不動産売却では、査定を依頼してから決済・引渡しまで、数か月程度かかることを想定しておきましょう。
ただし、不動産には同じものがありません。
立地、価格、築年数、物件の状態、市場の状況などによって売却期間は大きく変わります。
特に時間が読みにくいのが「購入希望者が見つかるまでの期間」です。
売り出してすぐに購入申込みが入ることもあれば、半年以上販売を続けるケースもあります。
そのため、
「3か月あれば必ず売れる」「半年あれば確実に現金化できる」
と考えるのではなく、売却希望時期から逆算して余裕を持って動くことが大切です。
不動産売却の期間を流れごとに確認
不動産売却は、大きく分けると次のように進みます。
- 売却準備
- 査定
- 媒介契約
- 販売活動
- 購入申込み・条件交渉
- 売買契約
- 決済・引渡し
それぞれ見ていきましょう。
詳しくは
「不動産売却は何から始める?初めて家を売るときの流れを分かりやすく解説」で解説しています。
① 売却準備
まずは売却する不動産の資料を確認します。

代表的なものには、
・登記識別情報または登記済証
・購入時の売買契約書
・重要事項説明書
・測量図
・建築関係書類
・マンションの管理関係資料
などがあります。
この段階ですべての書類が揃っていなくても、査定を依頼できる場合があります。
ただし、相続登記が終わっていない、権利証が見当たらない、土地の境界に問題があるなどの場合は、売却までに時間がかかる可能性があります。
早い段階で不動産会社に相談し、必要な手続きを確認しておきましょう。
詳しくは
「不動産売却に必要な書類はこちらで詳しく解説しています」で解説しています。
② 不動産会社へ査定を依頼する
次に、不動産会社へ査定を依頼します。

査定では、
・過去の成約事例
・現在販売されている競合物件
・土地や建物の状況
・接道状況
・周辺環境
・築年数や建物の状態
などを確認し、査定価格を算出します。
査定価格は「この金額で必ず売れる」という価格ではありません。
売主の希望や売却期限、周辺の販売状況なども考慮して、実際の売出価格を決めていきます。
詳しくは
「不動産の査定価格がどのように決まるのか」で解説しています。
③ 媒介契約を締結する
仲介で売却する不動産会社を決めたら、媒介契約を締結します。
媒介契約には、
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
があります。
契約方法によって、複数の不動産会社へ依頼できるかどうかや、レインズへの登録義務、販売状況の報告頻度などが異なります。
査定価格の高さだけで不動産会社を選ぶのではなく、
「なぜこの査定価格なのか」
「どのような販売方法を考えているのか」
まで確認することが重要です。
詳しくは
「一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い」で解説しています。
④ 販売活動を開始する
媒介契約を締結すると、販売活動が始まります。
不動産会社は、
・レインズへの登録
・不動産ポータルサイトへの掲載
・自社ホームページへの掲載
・既存顧客への紹介
・他の不動産会社への物件紹介
などを行います。
購入希望者から問い合わせが入ると、マンションや一戸建てでは内覧が行われます。
土地の場合は現地確認のほか、建築計画や法令上の制限などを調査したうえで購入を検討するケースもあります。
売却期間で最も差が出やすいのが販売活動
不動産売却では、この販売期間が最も予測しにくい部分です。
購入希望者が早く見つかれば短期間で契約できます。
一方、
・相場より売出価格が高い
・競合物件が多い
・立地条件が限られている
・建物の状態に問題がある
・土地の形状や接道条件に問題がある
などの場合は販売期間が長くなることがあります。
販売開始後は、問い合わせ数や内覧数などを確認しながら販売方法を見直すことも重要です。
⑤ 購入申込みと条件交渉
購入希望者が物件を気に入れば、購入申込書や買付証明書が提出されます。

購入申込みには、
・購入希望価格
・手付金
・住宅ローン利用の有無
・契約希望日
・引渡し希望日
・その他の条件
などが記載されます。
売出価格のまま申し込まれるとは限りません。
価格交渉が入ることもありますので、金額だけでなく契約条件全体を確認して判断します。
詳しくは
「購入申込書(買付証明書)の見方や確認ポイント」で解説しています。
⑥ 売買契約を締結する

売主と買主の条件がまとまったら、売買契約へ進みます。
契約前には不動産会社が物件調査を行い、重要事項説明書や売買契約書などを準備します。
土地や建物の状況によっては、
・境界
・越境
・道路
・建築関係
・設備
・契約不適合責任
などについて確認や調整が必要になる場合があります。
条件が複雑な物件では、購入申込みから売買契約まで時間がかかることもあります。
⑦ 売買契約から決済・引渡し

売買契約を締結しても、その日に売却代金全額を受け取るとは限りません。
一般的には契約時に手付金を受け取り、後日、決済時に残代金を受け取ります。
買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約後に住宅ローンの本審査や金銭消費貸借契約などを行います。
そのため、売買契約から決済・引渡しまでは一定の期間を設けるのが一般的です。
決済日には、
・残代金の支払い
・固定資産税等の清算
・所有権移転登記
・抵当権抹消登記
・鍵の引渡し
などを行います。
詳しくは
「決済・引渡し当日の詳しい流れ」で解説しています。
■売却に時間がかかりやすいケース
物件によっては、通常の販売活動以外の手続きに時間がかかることがあります。
例えば、確定測量に伴う隣地所有者との境界立会い、解体工事に伴う隣地との調整、所有者の死亡による相続手続きなどによって、売却が長期化することがあります。
また、所有者の判断能力に問題が生じた場合や、災害等によって建物に損害が発生した場合など、当初予定していなかった事情によって売却スケジュールが変わることもあります。
1.相続登記が終わっていない
相続した不動産が亡くなった方の名義のままの場合は、相続登記が必要です。
相続人が多い場合や遺産分割協議がまとまっていない場合は、売却準備に時間がかかることがあります。
相続人が複数いる場合、法定相続分を基準に話し合うこともありますが、必ずしもその割合どおりに遺産分割を行うとは限りません。
被相続人(亡くなった所有者)への思いや、兄弟姉妹間のこれまでの関係、他の相続財産との調整などによって意見がまとまらず、遺産分割協議が長期化するケースもあります。
2.土地の境界を確認する必要がある
土地の売却では、確定測量が必要になる場合があります。
隣接地所有者との境界確認が必要になるため、売主だけでは完了できません。
隣地所有者との日程調整や官民境界の確認などによって時間がかかるケースがあります。
また、土地所有者と隣地所有者との間に過去のトラブルやわだかまりがある場合、境界確認への協力が得られず、測量が長期化することもあります。
詳しくは
「境界確定測量が必要になるケース」で解説しています。
3.住宅ローンが残っている
住宅ローンが残っていても売却できますが、原則として決済時にローンを完済し、抵当権を抹消します。
金融機関によって必要な手続きや連絡期限が異なるため、早めの確認が必要です。
売却を開始する前に、「現在のローン残高」を確認しておきましょう。
買主が決まってから金融機関へ確認したところ、想定していたよりローン残高が多く、売却代金だけでは完済できないことが判明するケースもあります。
この場合、仲介手数料などの売却諸費用も含めると、手元資金から不足分を補填しなければならない可能性があります。
詳しくは
「住宅ローンが残っている不動産の売却と抵当権抹消」で解説しています。
4.売出価格が相場より高い
売主としては少しでも高く売りたいところですが、相場から大きく離れた価格で販売すると問い合わせ自体が少なくなることがあります。
一定期間販売しても反響が少ない場合は、
・閲覧数
・問い合わせ数
・内覧数
・競合物件
・周辺の成約状況
などを確認し、価格や販売方法を見直します。
不動産会社によっては、SUUMO、LIFULL HOME’S、at homeなどの不動産ポータルサイトに掲載した物件について、閲覧数などの反響データを確認できます。
特に、閲覧数は多いのに問い合わせが少ない場合などは、価格や写真、物件情報の見せ方を見直す判断材料になります。
媒介を依頼している不動産会社に、掲載状況や反響データを確認してみましょう。
■「いつまでに売りたいか」を最初に伝える
不動産会社へ査定を依頼するときは、希望価格だけでなく、「いつまでに売却したいのか」も伝えておきましょう。
例えば、
「時間がかかってもできるだけ高く売りたい」という人と、
「転勤が決まっているので3か月以内に売りたい」という人では、適した販売戦略が異なります。
売却期限が決まっている場合は、販売開始時の価格設定や価格変更のタイミングも含めて計画する必要があります。
■仲介ではなく不動産買取という方法もある
売却を急いでいる場合は、不動産会社による買取を検討する方法もあります。
仲介では一般の購入者を探すため、いつ売れるかを正確に予測することはできません。
一方、買取では不動産会社自身が買主となるため、条件がまとまれば比較的短期間で売却できる可能性があります。
ただし、一般的に仲介による売却と比べて売却価格が低くなる傾向があります。
「価格を優先するのか」「売却までの期間を優先するのか」によって選択肢は変わります。
■売却を急いでいなくても早めに査定しておく
不動産売却は、実際に販売を開始してみないと購入希望者が現れる時期を正確には予測できません。
さらに、
・相続登記
・測量
・住宅ローンの完済
・抵当権抹消に向けた準備
・家財の処分
・建物の調査
などが必要になることもあります。
「半年後に売却できればいい」
という場合でも、半年後から動き始めるのではなく、早めに査定や物件調査をしておくと余裕を持って進められます。
査定を受けたからといって、すぐに売却しなければならないわけではありません。
まず現在の価格や物件の状況を確認し、必要な準備を把握しておくことが大切です。
よくある質問

Q. 不動産は3か月あれば売れますか?
3か月以内に売れる物件もありますが、必ず売れるとは限りません。
価格、立地、物件状態、競合物件などによって販売期間は変わります。
Q. 売買契約をしたらすぐに代金を受け取れますか?
一般的には契約時に手付金を受け取り、残代金は後日の決済時に受け取ります。
買主が住宅ローンを利用する場合は、本審査などの手続きも必要になります。
Q. 半年後までに売りたい場合、いつ相談すればよいですか?
できるだけ早めに相談することをおすすめします。
売却前に相続登記や測量などが必要になる可能性もあるため、余裕を持って準備した方が安全です。
Q. なかなか売れない場合はどうすればよいですか?
問い合わせ数や内覧数、競合物件、売出価格などを確認します。
反響が少ない原因を分析したうえで、価格や販売方法を見直すことが重要です。
Q. 急いで売りたい場合はどうすればよいですか?
仲介だけでなく、不動産会社による買取も選択肢になります。
ただし、売却価格などの条件が仲介とは異なるため、両方を比較して判断しましょう。
まとめ
不動産売却にかかる期間は、物件や販売条件によって異なります。
特に大きく変わるのが、販売を開始してから購入希望者が見つかるまでの期間です。
また、相続登記、測量、住宅ローン、境界確認などが必要な場合は、売却前の準備にも時間がかかります。
そのため、
「いつまでに売りたいか」
を最初に決め、そこから逆算して準備することが大切です。
売却時期がまだ先の場合でも、早めに査定や物件調査をしておけば、必要な手続きや現在の相場を確認できます。
余裕を持った売却計画を立てることが、希望する条件で売却するための重要なポイントです。



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