不動産を売りに出したものの、
「なかなか問い合わせが来ない」
「内覧はあるのに購入申込みが入らない」
「不動産会社から値下げを提案された」
「このまま売れなかったらどうしよう」
と不安になる方もいると思います。
不動産は売りに出せばすぐに売れるとは限りません。
しかし、売れない状態が続いている場合には、何かしらの原因がある可能性があります。
大切なのは、すぐに価格を下げることではなく、
「問い合わせがないのか」
「問い合わせはあるけれど内覧につながらないのか」
「内覧はあるけれど購入申込みが入らないのか」
など、どの段階で止まっているのかを確認することです。
この記事では、不動産が売れない主な理由と、売却が長期化した場合に確認したいポイントについて分かりやすく解説します。
① 不動産が売れない理由は一つではない

不動産が売れないと、
「価格が高いから売れないのでは?」と考えがちです。
もちろん価格は非常に重要です。
しかし、実際には、
・売出価格
・物件の条件
・広告の内容
・写真の見せ方
・販売活動
・内覧時の印象
・競合物件
・売り出した時期
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、売却が長期化している場合には、いきなり値下げをするのではなく、まず「なぜ売れていないのか」を確認することが重要です。
② まず「どこで止まっているのか」を確認する

売れない原因を考えるときに分かりやすいのが、購入までの流れを分けて考える方法です。
物件を見つけてもらう
↓
問い合わせ
↓
内覧
↓
購入申込み
↓
条件交渉
↓
売買契約
例えば、
「問い合わせ自体がほとんどない場合」と、
「毎週のように内覧があるのに購入申込みが入らない場合」では、考えられる原因が違います。
問い合わせが少ないのであれば、
・価格
・広告
・写真
・物件情報
・競合物件
などを確認します。
一方、問い合わせや内覧はあるのに購入申込みにつながらない場合には、
・実際に見たときの物件の印象
・室内の状態
・日当たりや周辺環境
・価格と物件状態のバランス
・購入をためらう問題点
なども確認する必要があります。
「売れない」という結果だけを見るのではなく、どの段階まで購入希望者が進んでいるのかを見ることがポイントです。
③ 売出価格が相場より高い
売却が長期化する原因として、まず確認したいのが売出価格です。
例えば、周辺の類似物件が、
物件A:2,800万円
物件B:3,000万円
物件C:3,100万円
自分の物件:3,800万円
程度で販売されている中で、条件が大きく変わらない物件を3,800万円で販売していれば、購入希望者から比較されたときに選ばれにくくなる可能性があります。
特に現在は、不動産情報サイトなどを使って購入希望者自身が多くの物件を比較できます。
そのため、
「この物件だけ高い」という状態は購入希望者にも分かりやすくなっています。
ただし、だからといってすぐに値下げすればよいというわけではありません。
まず、
・査定時の価格はいくらだったか
・周辺の成約事例はいくらか
・現在の競合物件はいくらか
・問い合わせ件数はどのくらいか
・内覧件数はどのくらいか
を確認したうえで価格を見直すことが重要です。
※査定価格については「不動産の査定価格はどうやって決まる?査定額が会社によって違う理由」で詳しく解説しています。
④ 広告や写真で物件の魅力が伝わっていない
購入希望者が最初に物件を見る場所は、現地とは限りません。
多くの場合、最初に見るのは不動産情報サイトなどに掲載された物件情報や写真です。
同じ物件でも、
・室内が暗く写っている
・写真の枚数が少ない
・部屋が片付いていない
・外観写真が分かりにくい
・間取り図が見にくい
・物件の特徴がほとんど書かれていない
といった状態では、物件の魅力が十分に伝わらない可能性があります。
反対に、
・明るい時間帯に撮影する
・室内を整理してから撮影する
・リビングだけでなく各居室も掲載する
・水回りや収納も掲載する
・駐車場や前面道路も掲載する
など、写真や掲載情報を見直すだけでも、購入希望者が物件を判断しやすくなります。
問い合わせが少ない場合には、価格だけでなく「物件がどのように掲載されているのか」を実際に自分でも確認してみましょう。

⑤ 競合物件が多い
売却する不動産そのものに問題がなくても、同じ時期に似た物件が多く売り出されていると、売却に時間がかかる場合があります。
例えば、同じ地域に、
A物件:3,000万円
B物件:3,100万円
C物件:2,980万円
自分の物件:3,200万円
という類似物件があれば、購入希望者はそれぞれを比較します。
比較されるのは価格だけではありません。
・築年数
・土地や建物の広さ
・間取り
・駐車台数
・リフォーム状況
・駅や学校までの距離
・日当たり
・設備
などを含めて判断されます。
売却開始時には競合が少なかったとしても、途中から条件の良い物件が販売されることもあります。
そのため、売却中も現在の販売状況を確認することが重要です。
⑥ 内覧はあるのに、購入申込みが入らない

問い合わせがあり、実際に内覧も行われているのであれば、少なくとも物件情報を見た段階では購入候補に入っていると考えられます。
それでも購入申込みにつながらない場合には、広告では分からなかった部分が原因になっている可能性があります。
例えば、
・室内が想像より暗かった
・荷物が多く部屋が狭く見えた
・臭いが気になった
・建物の劣化が想像より大きかった
・周辺の音が気になった
・前面道路が狭かった
・駐車しにくかった
・価格に対して物件状態が見合わないと判断された
などです。
ここで重要なのが、内覧後の反応を確認することです。
不動産会社に、
「購入を見送った理由は何でしたか?」
「価格が理由でしたか?」
「物件そのものに気になる点がありましたか?」
などを確認してみましょう。
すべての購入希望者から明確な理由を聞けるわけではありませんが、複数の内覧者から同じような指摘が出ている場合には、改善を検討する材料になります。
⑦ 空室の場合は、室内の印象も確認する

空室だからといって、必ずしもきれいに見えるとは限りません。
長期間空室になっていると、
・ほこりがたまっている
・排水口から臭いがする
・庭の雑草が伸びている
・郵便物がたまっている・室内が暗い
など、管理状態によって印象が悪くなることがあります。
大規模なリフォームを行わなくても、
清掃・換気・草刈り・照明などを確認するだけで改善できる部分もあります。
ただし、売却前に高額なリフォームをすれば必ずその費用以上に高く売れるとは限りません。
リフォームを行う場合には、費用をかける前に不動産会社と相談して判断することをおすすめします。
⑧ 不動産会社はどのような販売活動をしている?
売却を依頼した後は、不動産会社がどのような販売活動を行っているのかも確認しましょう。
例えば、
・不動産情報サイトへ掲載されているか
・レインズへ登録されているか
・掲載内容や写真は適切か
・問い合わせは何件あったか
・内覧は何件あったか
・購入希望者からどのような反応があったか
・現在の競合物件はどうなっているか
などです。
特に重要なのは、「問い合わせがありません」だけで終わらせないことです。
問い合わせがないのであれば、なぜ問い合わせがないと考えているのか
まで不動産会社に確認してみましょう。
価格なのか、物件条件なのか、競合物件なのか、広告なのか。その理由によって、次に行う対策は変わります。
⑨ 値下げする前に確認したいこと
売れない期間が続くと、不動産会社から価格変更を提案されることがあります。
価格を下げることによって、それまで予算に合わなかった購入希望者の検討対象に入る可能性があるため、価格変更は有効な販売方法の一つです。
ただし、
「売れないから、とりあえず100万円下げましょう」だけでは、十分な説明とはいえません。
価格を変更するのであれば、
・なぜこの価格へ変更するのか
・現在の競合物件はいくらなのか
・過去の成約事例はいくらなのか
・価格を変更するとどの層が検討できるようになるのか
・どのくらいの期間その価格で販売するのか
などを確認しましょう。
値下げそのものが悪いのではなく、根拠のない値下げを繰り返さないことが重要です。
⑩ 「長く売っていれば、いつか高く売れる」とは限らない
売却を急いでいない場合、
「時間をかければ、そのうち高く買ってくれる人が現れるのでは?」
と思うこともあるでしょう。
実際に時間をかけて希望価格で売却できる場合もあります。
一方で、不動産市場は常に同じではありません。
・競合物件が新しく売り出される
・周辺の成約価格が変化する
・住宅ローン金利など購入環境が変わる
・建物の築年数が進む・売却事情が変わる
可能性もあります。
そのため、単純に販売期間を長くすれば高く売れるとは限りません。
「価格を優先するのか」「売却時期を優先するのか」を最初に整理しておくことも重要です。
⑪ 不動産会社を変更した方がいい場合もある?
売れないからといって、すぐに不動産会社を変更すれば売れるというものではありません。
価格や物件そのものに原因がある場合には、不動産会社を変更しても同じ結果になる可能性があります。
一方で、
・販売状況の報告がほとんどない
・問い合わせや内覧状況を説明してくれない
・価格を下げる提案しかない
・広告内容に問題があるのに改善されない
・販売方針について具体的な説明がない
といった場合には、現在の販売活動について確認した方がよいでしょう。
そのうえで改善が難しい場合には、媒介契約の内容や契約期間を確認し、今後の依頼先を検討する方法もあります。
よくある質問 Q&A
Q. 何か月売れなかったら値下げした方がいいですか?
一律に「○か月経ったら値下げ」と決めることはできません。
同じ3か月でも、
・問い合わせが全くない
・問い合わせは多い
・内覧は何件も入っている
・購入申込みまで入った
では状況が全く異なります。
販売期間だけではなく、問い合わせ数・内覧数・購入希望者の反応・競合物件などを確認して判断しましょう。
Q. 内覧が多いのに売れない場合は価格が原因ですか?
価格が原因の場合もありますが、それだけとは限りません。
広告を見た段階では魅力を感じても、現地で物件の状態や周辺環境などを確認して購入を見送る場合もあります。
内覧後の反応を不動産会社へ確認してみましょう。
Q. 売れない場合はリフォームした方がいいですか?
必ずしも必要ではありません。
リフォーム費用をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限らないためです。
まず、清掃や整理など費用をあまりかけずに改善できる部分を確認し、高額なリフォームを行う場合には事前に不動産会社へ相談しましょう。
Q. 売れないのは不動産会社の責任ですか?
必ずしもそうとは限りません。
売出価格、物件条件、市場環境など、不動産会社だけでは変えられない要因もあります。
ただし、どのような販売活動を行い、なぜ売れていないと分析しているのかについて説明を受けることは重要です。
まとめ
不動産が売れない場合には、すぐに、
「値下げしなければならない」と考える必要はありません。
まず、
① 物件を見てもらえているか
↓
② 問い合わせが入っているか
↓
③ 内覧につながっているか
↓
④ 購入申込みにつながっているか
という流れを確認します。
そのうえで、
・売出価格
・競合物件
・広告や写真
・物件の状態
・内覧者の反応
・不動産会社の販売活動
などを一つずつ確認していきましょう。
特に重要なのは、「売れない」という結果だけを見て判断するのではなく、「なぜ売れていないのか」を確認することです。
原因が価格であれば価格変更を検討し、広告であれば掲載内容を改善し、物件の印象であれば改善できる部分を検討します。
原因を確認してから対策を決めることが、不動産売却が長期化したときの基本的な考え方です。



コメント