不動産を売却するとき、
「家を売り始めてから、実際にお金を受け取るまで何か月かかる?」
「売買契約が決まったら、すぐに引渡しできる?」
「半年後までに売却したいけど、いつから動けばいい?」
など、売却にかかる期間が気になる方も多いと思います。
不動産売却は、買主が見つかった時点で終わりではありません。
査定、媒介契約、販売活動、購入申込み、売買契約、引渡し準備、残代金決済、所有権移転といった手続きを順番に進めていきます。
一般的には、売却を始めてから引渡しまで3~6か月程度が一つの目安になります。
ただし、不動産は一つとして同じものがありません。
売出価格や立地、建物の状態だけでなく、境界確定測量、相続登記、建物解体などが必要な場合には、さらに時間がかかることがあります。
この記事では、不動産売却にかかる期間の目安と、査定から売買契約、引渡しまでの流れを分かりやすく解説します。
■不動産売却にかかる期間の目安
不動産売却にかかる期間は、物件や売却条件によって異なります。
一つの目安としては、

<大枠の流れ>
売却準備、査定
↓
不動産会社と媒介契約
↓
販売活動
↓
購入申込み
↓
売買契約
↓
引渡し準備
↓
残代金決済、引渡し
という流れで、3~6か月程度を想定しておくとよいでしょう。
ただし、これは「必ず3~6か月で売れる」という意味ではありません。
売出価格が相場より高かったり、購入希望者が少ない地域だったりすると、半年以上かかることもあります。
反対に、価格や条件が市場に合っていれば、販売開始から比較的早い段階で購入申込みが入ることもあります。
そのため、売却期間については、「平均で何か月か」だけではなく、自分の不動産ならどのくらいかかりそうかを考えることが大切です。
■売却準備、査定にかかる期間
まずは、不動産会社へ査定を依頼します。
査定を依頼する前後には、
・不動産の名義確認
・住宅ローン残高の確認
・購入時の売買契約書などの確認
・土地、建物の資料確認
・売却希望時期の整理
などを行います。
不動産会社では、物件の状況や周辺の成約事例、現在販売されている競合物件などを調査して査定価格を検討します。
複数の不動産会社へ査定を依頼する場合には、それぞれの査定価格だけを見るのではなく、査定の根拠や販売方法まで比較する時間も必要です。
売却を急いでいる場合でも、ここで慌てて不動産会社を決める必要はありません。
最初の不動産会社選びは、その後の販売活動にも大きく影響します。
■媒介契約から販売開始まで
売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。

媒介契約には、
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
があります。
媒介契約後、不動産会社は販売に必要な準備を行います。
例えば、
・物件写真の撮影
・間取りや物件資料の作成
・不動産ポータルサイトへの掲載
・レインズへの登録
・既存顧客への紹介
などです。
物件情報が公開されると、本格的な販売活動が始まります。
■販売活動から購入申込みまでの期間

不動産売却で最も期間を予測しにくいのが、販売開始から購入希望者が現れるまでです。
販売を始めてすぐに内覧が入り、購入申込みにつながる場合もあれば、数か月経っても申込みが入らないこともあります。
売れやすさには、
・売出価格
・立地
・土地、建物の広さ
・築年数
・建物の状態
・間取り
・周辺の競合物件
・広告の内容
・市場の需要
など、さまざまな要素が関係します。
特に確認したいのが売出価格です。
売出価格が周辺相場や競合物件と大きく離れている場合には、内覧自体が少なくなることがあります。
販売開始後は、単に「待つ」のではなく、問い合わせ数や内覧数などを確認しながら販売状況を把握しましょう。
■購入申込みから売買契約まで
購入希望者が物件を気に入り、購入する意思が固まると、購入申込書などが提出されます。

購入申込書には、
・購入希望価格
・手付金
・住宅ローン利用の有無
・契約希望日
・引渡希望日
・その他の条件
などが記載されます。
例えば、
売出価格 3,000万円
↓
購入希望価格 2,900万円
↓
価格、条件を調整
↓
双方合意
↓
売買契約
という流れになることがあります。
売主、買主が条件について合意したら、重要事項説明、売買契約へ進みます。
購入申込みが入ったからといって、すぐに契約が成立するわけではありません。
価格だけでなく、引渡時期や住宅ローンなどの条件も確認したうえで契約内容を決めます。
■売買契約から引渡しまでの期間
売買契約を締結した後は、契約で定めた引渡日に向けて準備を進めます。
一般的には、売買契約から残代金決済、引渡しまで1~2か月程度を設けるケースがあります。
この期間に売主は、
・引っ越し
・残置物の撤去
・住宅ローンの一括返済手続き
・抵当権抹消の準備
・必要書類の準備
・契約で約束した補修
などを行います。
買主が住宅ローンを利用する場合には、本審査や金銭消費貸借契約などの手続きもあります。
そのため、売買契約を締結した翌日にすぐ引渡し、というわけではありません。
■売却期間が長くなるケース
物件によっては、通常の販売活動以外にも手続きが必要です。
例えば、
・相続登記が終わっていない
・土地の境界が分からない
・確定測量が必要
・建物を解体して引き渡す
・残置物が多い
・隣地との越境問題がある
・売却価格だけでは住宅ローンを完済できず、自己資金などの準備が必要
などの場合です。
特に土地では、隣接地所有者との立会いを伴う確定測量に時間がかかることがあります。
古家付き土地を更地渡しとする場合には、解体業者の手配や建物滅失登記なども考える必要があります。
このような条件がある場合には、買主が見つかるまでの期間だけでなく、引渡し条件を整えるための期間も考えておきましょう。
■早く売りたい場合はどうすればいい?
売却期間を短くしたい場合、最も重要なのは適正な売出価格を設定することです。

「少しでも高く売りたい」と考えること自体は当然ですが、周辺相場から大きく離れた価格で販売を始めると、結果として売却期間が長くなる可能性があります。
また、
・競合物件の価格を確認する
・物件写真を見直す
・室内を整理する
・問い合わせ状況を確認する
・内覧後の反応を確認する
・価格を見直す
・媒介の不動産会社を変える
なども重要です。
販売開始後に反響が少ない場合には、単純に時間が経つのを待つのではなく、なぜ問い合わせが少ないのかを不動産会社と確認することをおすすめします。
■物件に「売れない理由」がない場合もある
不動産がなかなか売れないと、
「価格が高いのでは?」
「物件に何か問題があるのでは?」
「不動産会社の販売活動が悪いのでは?」
と、どうしても「売れない理由」を探してしまいます。
しかし実際には、明確な理由が見当たらないのに売れないこともあります。
例えば、次のような条件が揃っている物件です。
・売出価格は相場に合っている
・近隣に競合する物件がほとんどない
・大きな損傷や故障がなく、建物の状態も良い
・交通の便が良い
・比較的人気のあるエリア
ここまで条件が揃っていれば、「なぜ売れないのだろう?」と思うかもしれません。
実際、不動産会社で長く営業している担当者でも、「特に悪いところが見当たらないのに、なぜか反響が少ない」という物件に出会うことがあります。
もちろん、
・相場より大幅に価格が高い
・同じエリアに似た物件が大量に売り出されている
・雨漏りやシロアリ被害がある
・建物に傾きがある
など、明確な原因があれば対策を考えやすくなります。
価格が高ければ価格を見直す、建物に問題があれば補修を検討するなど、売れない理由に対して対応できるからです。
難しいのは、こうした明確な理由が見当たらない場合です。
1. その時期に「買いたい人」が少ないこともある
不動産は、条件が良ければ必ずすぐに売れるわけではありません。
考えられる理由の一つが、「その条件の不動産を探している購入希望者が、たまたま少ない時期に売り出している」ということです。
例えば、あるエリアで3,000万円前後の中古戸建を探している人が普段は一定数いたとしても、その人数が一年中同じとは限りません。
去年なら購入希望者がいた
↓
現在は同じ条件で探している人が少ない
↓
物件に問題がなくても申込みが入らない
ということもあります。
反対に、同じ物件、同じ価格でも、売り出す時期が違えば比較的早く買主が見つかる可能性もあります。
不動産市場では、売りたい物件があることだけでは取引は成立しません。そのタイミングで、その物件を買いたい人がいることが必要です。
2.市場環境によって購入者の動きが変わることもある
購入希望者の動きは、不動産そのものの条件だけで決まるわけではありません。
例えば、
・住宅ローン金利の動き
・物価の上昇
・税負担への不安
・景気の先行き
・住宅価格の上昇
などによって、購入を急ぐ人もいれば、「もう少し様子を見よう」と慎重になる人もいます。
人気エリアだから必ずすぐに売れる、競合物件がないから必ず売れる、という単純なものではありません。
需要と供給のタイミングが合わないことも、不動産が売れない理由の一つと考えておきましょう。
3.明確な原因がなければ、無理に理由を作らない
物件に問題がなく、価格も相場から大きく外れていないのであれば、売れないからといって必要以上に物件の欠点を探す必要はありません。
その場合には、売主の事情に合わせて、
・売却時期を改める
・中長期で販売活動を続ける
・一定期間ごとに市場の反応を確認する
・売却を急ぐ場合には価格を見直す
といった選択肢を検討します。
特に売却期限が決まっていないのであれば、「売れない=すぐに値下げ」と考える必要はありません。
一方で、「○月までに必ず売却したい」という事情がある場合には、現在の需要に合わせて価格を調整する必要が出てくることもあります。
不動産が売れないときは、まず価格、競合物件、物件状態、販売方法などに原因がないか確認する。
それでも明確な原因が見当たらないのであれば、「今、その条件で探している買主が少ない」という可能性も考えてみましょう。
■売却希望時期から逆算して準備する
例えば、
6か月後までに売却を完了したい
のであれば、6か月後から売却活動を始めるのでは遅くなります。
不動産売却には、
買主を探す期間
+
売買契約後の引渡し準備期間
が必要だからです。
さらに、相続登記や確定測量、建物解体などが必要であれば、その期間も考えなければなりません。
「○月までに売却したい」という希望がある場合には、その時期から逆算して早めに査定や物件調査を始めることが大切です。
■売却を急ぎすぎる必要もない
一方で、必要以上に慌てて売却する必要もありません。
例えば、
早く売りたい
↓
大幅に値下げ
↓
すぐに購入申込み
となったとしても、それが売主にとって最も良い売却とは限りません。
売却希望時期と価格のどちらを優先するのかを整理しておくことが重要です。
価格を優先
→ 時間に余裕を持つ
売却時期を優先
→ 市場の反応を見ながら価格を調整
というように、売却方針によって進め方も変わります。
よくある質問 Q&A

Q. 不動産売却には平均何か月くらいかかりますか?
一つの目安として、査定から売買契約、引渡しまで3~6か月程度を想定することがあります。
ただし、物件や価格、地域、市場の状況によって大きく異なります。
Q. 売買契約をしたらすぐにお金を受け取れますか?
通常は売買契約時に手付金を受領し、残代金は決済、引渡し時に受領します。
売買契約から残代金決済までは、買主の住宅ローン手続きや売主の引渡し準備などの期間を設けます。
Q. 半年経っても売れない場合はどうすればいいですか?
売出価格、競合物件、問い合わせ数、内覧数、広告内容などを確認しましょう。
問い合わせ自体が少ないのか、内覧はあるものの購入申込みにつながらないのかによって、見直すポイントも変わります。
Q. 相続した不動産は売却に時間がかかりますか?
相続登記が完了しているか、相続人が複数いるか、土地の測量が必要かなどによって異なります。
通常の売却手続き以外の準備が必要な場合には、その期間も考えておく必要があります。
Q. できるだけ早く売却したい場合はどうすればいいですか?
まずは適正な売出価格を設定することが重要です。
販売開始後も問い合わせや内覧の状況を確認し、反響が少ない場合には原因を確認して販売方法や価格を見直します。
まとめ
不動産売却は、
売却準備、査定
↓
媒介契約
↓
販売活動
↓
購入申込み
↓
売買契約
↓
引渡し準備
↓
残代金決済、引渡し
という流れで進みます。
一つの目安として、売却開始から引渡しまで3~6か月程度を考えることができますが、すべての不動産がこの期間で売却できるわけではありません。
特に、
・相続登記
・境界確定測量
・建物解体
・住宅ローンの完済
・残置物の撤去
などが必要な場合には、通常より時間がかかる可能性があります。
大切なのは、「何か月で売れるか」だけを見るのではなく、いつまでに売却したいのかを決め、その時期から逆算して準備することです。
売却期限が決まっている場合には、余裕を持って査定や物件調査から始めましょう。



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