「不動産売却の印紙税」は誰が負担する?売主・買主それぞれの取扱い

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不動産を売却する際、売買契約書に貼る収入印紙は、売主と買主のどちらが負担するのでしょうか?

一般的には、売主と買主がそれぞれ保管する売買契約書の印紙税を、各自で負担する方法が多く採用されています。

ただし、必ず半分ずつ負担しなければならないわけではありません。

売買契約書を1通だけ作成する場合や、売主がコピーを保管する場合などは、印紙税の負担方法が異なることもあります。

今回は、不動産売買契約書の印紙税について、売主・買主の負担方法と注意点を解説します。

■不動産売買契約書の印紙税は誰が負担する?

不動産売買契約書は、原則として印紙税の課税対象となる文書です。

印紙税法では、課税文書を作成した人に納税義務があり、売主と買主が共同で作成した場合は、双方が連帯して納税義務を負います。

ただし、これは税法上の納税義務の話です。

実際に売主と買主のどちらがお金を負担するかは、当事者間の取り決めによって決めることができます。

一般的な不動産売買では、売主と買主がそれぞれ自分の保管する契約書の印紙税を負担する方法が採用されています。

■売買契約書を2通作成する場合

不動産売買では、売主用と買主用に、同じ内容の売買契約書を2通作成することがあります。

この場合、双方が署名・押印した契約書は、それぞれ印紙税の課税対象となります。

例えば、売買価格が3,000万円の場合です。

【例:売買価格3,000万円】

売買契約書を2通作成

売主保管用:印紙税1万円
買主保管用:印紙税1万円

合計:2万円

※2026年10月時点の軽減税率を適用した場合です。

この場合、売主と買主がそれぞれ1万円ずつ負担する方法が一般的です。

ただし、当事者間で別の負担方法を合意することもできます。

■売買契約書を1通だけ作成する場合

不動産売買では、印紙税の負担を抑えるために、売買契約書を1通だけ作成することがあります。

例えば、買主が契約書の原本を保管し、売主はそのコピーを保管する方法です。

【例:売買価格3,000万円】

売買契約書の原本:1通
売主保管用:コピー

原本の印紙税:1万円
単なるコピー:印紙税なし

合計:1万円

この場合、課税対象となる契約書が1通であれば、印紙税も原則として1通分になります。

ただし、契約書を1通にしたからといって、印紙税を必ず買主が負担するわけではありません。

買主が負担する方法もあれば、売主と買主が折半する方法も考えられます。

誰が負担するかは、事前に確認しておきましょう。

■契約書のコピーにも印紙税は必要?

契約書をコピーしただけの書類には、原則として印紙税はかかりません。

ただし、注意が必要です。

「写し」や「副本」と表示されていても、契約の成立を証明する目的で作成された書類は、印紙税の課税対象になる場合があります。

例えば、次のようなケースです。

【印紙税の取扱い】

① 双方が署名・押印した契約書の原本
→ 原則として課税対象

② 原本をコピーしただけの書類
→ 原則として課税対象外

③ 「写し」と記載されていても、
   双方が署名・押印した書類
→ 課税対象になる場合がある

重要なのは、「原本」「コピー」という名称ではなく、契約の成立を証明するために作成された文書かどうかです。

売主がコピーを保管する場合は、単なる複写物なのかを確認しておきましょう。

■売買契約書に印紙税の負担方法は書かれている?

不動産売買契約書には、印紙税の負担方法について条項が設けられていることがあります。

例えば、次のような内容です。

【契約条項の例】

本契約書に貼付する収入印紙の費用は、
売主及び買主がそれぞれ保管する
契約書について各自負担するものとする。

このような取り決めがある場合は、その内容に従って負担することになります。

ただし、売買契約書を1通だけ作成する場合は、上記の条項が実際の作成方法と合っていないことがあります。

そのため、契約書の作成通数と、印紙税の負担に関する条項が一致しているか確認することが重要です。

なお、当事者間で費用負担を取り決めても、税法上の納税義務が当然に変更されるわけではありません。

■印紙税を負担する際の注意点

1. 収入印紙は契約金額に応じて異なる

不動産売買契約書の印紙税額は、原則として契約書に記載された売買金額によって決まります。

また、不動産売買契約書には、一定の要件を満たす場合に軽減税率が適用されます。

印紙税額の詳細については、別の記事で解説しています。

2. 収入印紙には消印が必要

収入印紙を貼る場合は、原則として印紙と契約書にまたがるように消印を行います。

収入印紙を貼っただけでは、適切な納付手続きが完了していないことがあります。

3. 印紙税の負担と仲介手数料は別

印紙税は、売買契約書にかかる税金です。

不動産会社へ支払う仲介手数料とは別の費用になります。

売却に必要な費用を計算する際は、混同しないようにしましょう。

■よくある質問(Q&A)

Q1. 不動産売買の印紙税は売主と買主で折半する決まりですか?

いいえ。

法律で必ず折半することが決められているわけではありません。

売主と買主が共同で作成した課税文書については連帯納税義務がありますが、実際の費用負担は当事者間で取り決めることができます。

Q2. 売主が契約書のコピーだけを保管する場合、印紙税は不要ですか?

単なるコピーであれば、原則として印紙税は不要です。

ただし、コピーや副本であっても、署名・押印や証明の内容によって課税対象となる場合があります。

Q3. 売買契約書を1通だけ作成する場合、印紙税は買主負担ですか?

必ずしも買主負担ではありません。

買主が原本を保管する場合でも、売主と買主の合意によって費用を折半することなどが可能です。

Q4. 売買契約書に収入印紙を貼り忘れた場合、契約は無効になりますか?

収入印紙を貼り忘れたことだけを理由に、売買契約が無効になるわけではありません。

ただし、印紙税の納付義務はなくならず、過怠税が課される場合があります。

■まとめ

不動産売買契約書の印紙税は、一般的に売主と買主がそれぞれ保管する契約書について各自負担する方法が採用されています。

ただし、法律で必ず半分ずつ負担すると決められているわけではありません。

【印紙税の負担方法】

▼契約書を2通作成する場合
→ 売主・買主が各自負担する方法が一般的

▼契約書を1通作成する場合
→ 当事者間の取り決めで負担方法を決める

▼単なるコピーを保管する場合
→ 原則としてコピーには印紙税がかからない

特に、契約書を何通作成するのか、誰が原本を保管するのか、印紙税を誰が負担するのかを契約前に確認しておくことが大切です。

不動産売買契約書に必要な印紙税額については、不動産売買契約書の印紙税はいくら?契約金額別の税額と注意点で解説しています。

また、不動産売却にかかる費用全体については、不動産売却にかかる費用とは?も参考にしてください。

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