不動産売買契約書の印紙税とは?収入印紙はいくら必要?(2027年まで)

費用

不動産の売買契約をするとき、売買契約書に「収入印紙」を貼ることがあります。

初めて不動産を売買する方からすると、

「なぜ契約書に収入印紙を貼るの?」
「いくらの印紙が必要?」
「売主と買主のどちらが負担するの?」

など、分からないことも多いと思います。

不動産売買契約書は、印紙税法上の課税文書に該当するため、紙で契約書を作成する場合には、契約金額に応じた印紙税がかかります。

今回は、不動産売買契約書にかかる印紙税の金額や軽減措置、電子契約の場合の取り扱いなどについて分かりやすく解説します。


① 不動産売買契約書の「印紙税」とは?

印紙税とは、印紙税法で定められた契約書や領収書などの「課税文書」を作成した場合に課税される税金です。

土地や建物を売買するときに作成する不動産売買契約書も課税文書に該当します。

一般的には、必要な金額の収入印紙を契約書に貼り、印章または署名によって消印することで印紙税を納付します。

印紙税は契約金額によっては高額になるため、「なぜ収入印紙を貼る必要があるの?」「印紙税がかからない方法はないの?」と質問をいただくことがあります。
この後、印紙税の金額や電子契約の場合の取り扱いについても詳しく解説します。


② 収入印紙はいくら必要?

印紙税額は、基本的に売買契約書に記載された契約金額によって決まります

現在、不動産の譲渡に関する契約書については軽減措置があります。

主な金額を見てみましょう。(2026年8月時点。軽減措置は2027年3月31日まで)

売買契約書の記載金額軽減後の印紙税額
100万円超~500万円以下1,000円
500万円超~1,000万円以下5,000円
1,000万円超~5,000万円以下10,000円
5,000万円超~1億円以下30,000円
1億円超~5億円以下60,000円
5億円超~10億円以下160,000円

例えば、

売買価格3,000万円であれば、「1,000万円超~5,000万円以下」に該当するため、軽減措置適用後の印紙税額は1万円です。


③ 印紙税の「軽減措置」とは?

通常の印紙税額よりも税額を引き下げる制度です。

不動産の譲渡に関する契約書については、一定の条件を満たす場合に軽減措置が適用されています。

例えば、契約金額が、1,000万円超~5,000万円以下の場合、

「通常の印紙税」:2万円 → 「軽減後」:1万円となります。

現在の軽減措置は、2027年3月31日までに作成される、記載された契約金額が10万円を超える不動産譲渡契約書が対象です。

※制度は延長・変更される可能性があるため、実際に契約するときは最新情報を確認しましょう。


④ 「売主・買主」のどちらが印紙代を負担する?

不動産売買では、「売主用・買主用として」「売買契約書を2通作成」し、それぞれが1通ずつ保管することがあります。

この場合、それぞれの契約書が課税文書となるため、それぞれの契約書について印紙税が必要になります。

実際の取引では、(各自支払う)

売主 → 売主が保管する契約書の印紙代
買主 → 買主が保管する契約書の印紙代

という形で負担することがあります。ただし、契約書の作成方法や費用負担については取引によって異なるため、売買契約時に確認しておきましょう。


⑤ 契約書を1通だけ作成する場合は?

不動産売買では、契約書を必ず2通作成しなければならないとは限りません。

例えば、原本を1通作成して一方が保管し、もう一方は写しを保管するという方法が取られる場合があります。この場合、単なるコピーであれば通常は新たな課税文書を作成したことにはなりません。

ただし、コピーであっても契約当事者の署名・押印などが加えられ、契約成立を証明する目的の文書となっている場合などは、課税文書に該当する可能性があります。

印紙税は書類の名称だけではなく、その文書に記載された内容や作成目的などから判断されます。


⑥ 電子契約なら「収入印紙は必要?」

電子契約の場合は重要な違いがあります。印紙税の課税対象となるのは「文書」であり、国税庁は電磁的記録は文書に含まれないとしています。

そのため、紙の契約書を作成せず、電磁的記録によって契約を締結する場合には、その電磁的記録自体に印紙税は課税されません。

例えば3,000万円の不動産売買なら、

紙の売買契約書 → 軽減後1万円
・電子契約 → 電磁的記録自体には印紙税が課税されない

という違いがあります。


⑦ 収入印紙を貼らなかったらどうなる?

課税文書なのに必要な印紙税を納付していなかった場合には、過怠税が課されることがあります。

原則として、本来納付すべき印紙税 + その2倍。つまり、本来の印紙税額の3倍相当の過怠税が徴収される場合があります。

ただし、税務調査等で指摘される前に一定の要件を満たして自主的に申し出た場合には、過怠税が本来納付すべき印紙税額の1.1倍に軽減される制度があります。


⑧ 収入印紙には「消印」が必要

収入印紙は契約書に貼るだけでは終わりではありません

印紙を貼り付けて納税する場合には、「印章または署名によって消印」します。

消印されていない場合には、消印されていない印紙の額面に相当する過怠税が徴収されることがあります。そのため、売買契約書へ収入印紙を貼った場合は、消印まで確認しておきましょう。


よくある質問 Q&A

Q. 3,000万円の不動産を売買した場合、印紙はいくらですか?

現在の軽減措置が適用される契約書であれば、3,000万円は「1,000万円超~5,000万円以下」に該当するため、1万円です。

Q. 5,000万円ちょうどならいくらですか?

「1,000万円超~5,000万円以下」に該当するため、軽減後の印紙税額は1万円です。

5,000万円を超えると次の区分になり、1億円以下であれば3万円になります。

Q. 売主と買主で半分ずつ負担するのですか?

必ず半分ずつというわけではありません。

契約書を2通作成してそれぞれ保管する場合には、それぞれが保管する契約書の印紙代を負担する方法などがあります。

Q. 電子契約なら印紙税は0円ですか?

紙の課税文書を作成せず、契約を電磁的記録で締結する場合、その電磁的記録自体は印紙税の課税対象ではありません。


まとめ

不動産売買契約書を紙で作成する場合には、契約金額に応じて印紙税がかかります。

現在は不動産譲渡契約書について軽減措置があり、例えば、

売買価格3,000万円 → 印紙税1万円となります。

また、

紙の契約書 → 印紙税の対象

電子契約の電磁的記録 → 印紙税の対象外

という違いもあります。

収入印紙を貼る場合には、必要な金額だけでなく消印まで忘れずに確認しましょう。

不動産を売却するときには印紙税以外にも仲介手数料などの費用がかかります。「不動産売却の仲介手数料はいくら?」についてもあわせて確認しておくと、売却に必要な費用を把握しやすくなります。

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