不動産の購入申込みをする際、不動産会社から「申込金」や「申込証拠金」の支払いを求められることがあります。
では、購入申込みをキャンセルした場合、支払った申込金は返してもらえるのでしょうか。
結論からいうと、正式な売買契約を締結する前に購入申込みを撤回した場合、宅建業者に預けた申込金は原則として返還されます。
この記事では、申込金が返還される理由と、手付金との違い、返金されない場合の対応について解説します。
■不動産購入の申込金とは?
申込金とは、不動産の購入を希望する際に、購入意思を示すためなどの目的で預けるお金です。
「申込証拠金」「予約金」「預り金」などと呼ばれることもあります。
例えば、次のようなケースです。
購入希望物件 3,000万円
購入申込み時の申込金 10万円
売買契約締結前に購入を取りやめた
この場合、支払った10万円が契約前の申込金であれば、原則として返還の対象となります。
なお、購入申込みの際に申込金を支払うことは、法律上必須ではありません。
購入申込書の役割については、「購入申込書(買付証明書)とは?売主が確認するポイントをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
■契約前にキャンセルした場合、申込金は返金される?
正式な売買契約を締結する前に購入申込みをキャンセルした場合、宅建業者に預けた申込金は原則として全額返還されます。
宅建業法47条の2第3項および宅建業法施行規則16条の12では、宅建業者が受領した申込証拠金などの預り金について、購入申込みを撤回する際に返還を拒む行為を禁止しています。
そのため、宅建業者から次のように説明された場合でも、契約前の申込金については返還を求めることができます。
・購入申込みをキャンセルしたので返金できない
・物件を押さえていたので申込金は返せない
・売主が購入申込みを承諾したので返金できない
申込金を支払っただけで、当然に返還できなくなるわけではありません。
購入申込み自体のキャンセルについては、「購入申込書を出した後でもキャンセルできる?契約前の注意点を解説」で詳しく解説しています。
■申込金と手付金は何が違う?
申込金と手付金は、支払う目的や取扱いが異なります。
| 比較項目 | 申込金 | 手付金 |
|---|---|---|
| 主な支払時期 | 売買契約前 | 売買契約時 |
| 主な目的 | 購入意思を示すためなど | 売買契約に伴う金銭の授受 |
| 契約前の撤回 | 原則返還 | ― |
| 契約締結後 | 手付金等に充当される場合がある | 手付解除など契約上の取扱いによる |
申込金は、正式な売買契約を締結する際に、手付金の一部に充当されることがあります。
例えば、次のようなケースです。
購入申込み時の申込金 10万円
売買契約時の手付金 100万円
契約時に追加で支払う金額 90万円
このように、申込金を手付金に充当する場合は、契約時にその取扱いを確認することが大切です。
手付金の仕組みについては、「手付金とは?手付解除の仕組みと注意点をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
■申込金を支払うときの注意点
購入申込みの際に申込金を支払う場合は、次の点を確認しておきましょう。
・申込金の金額
・誰が申込金を預かるのか
・売買契約前に撤回した場合の返還方法
・売買契約を締結した場合の充当先
・申込金を預けたことを証明する書類
特に重要なのは、申込金が契約前の預り金であることを明確にしておくことです。
申込金を支払った場合は、預り証などの書面を受け取り、返還条件についても確認しておきましょう。
■申込金を返してもらえない場合は?
契約前に購入申込みを撤回したにもかかわらず、宅建業者が申込金の返還に応じない場合は、まず返還を求める意思を明確に伝えましょう。
その際は、申込金の預り証や振込記録、購入申込みを撤回した際のやり取りなどを保存しておくことが大切です。
それでも返還に応じない場合は、宅建業者の免許行政庁や消費生活センターなどへ相談する方法があります。
■よくある質問 Q&A

1. Q. 購入申込みの翌日にキャンセルした場合も返金されますか?
はい。正式な売買契約前に購入申込みを撤回した場合、宅建業者に預けた申込金は原則として返還されます。
2. Q. 売主が購入申込みを承諾した後でも返金されますか?
通常の不動産取引では、正式な売買契約前であれば、売主が購入申込みを承諾していても、宅建業者に預けた申込金は原則として返還されます。
3. Q. 申込金を支払わないと購入申込みはできませんか?
いいえ。法律上、購入申込みの際に申込金を支払う義務はありません。
4. Q. 申込金を手付金に充当した後でも返金されますか?
正式な売買契約を締結し、申込金が手付金に充当された場合は、契約前の申込金とは取扱いが異なります。
その後の返還については、売買契約の内容や解除理由などによって判断されます。
■まとめ
不動産の購入申込みをする際に支払った申込金は、正式な売買契約を締結する前に申込みを撤回した場合、原則として返還されます。
宅建業法では、宅建業者が預かった申込金について、申込みの撤回を理由に返還を拒むことを禁止しています。
申込金を支払う際は、預り証などの書面を受け取り、契約前にキャンセルした場合の返還方法を確認しておきましょう。



コメント