不動産の内覧で売主は何をする?売却前の準備と当日の注意点を解説

売却

不動産を売り出すと、購入を検討している人から「実際に家を見たい」と内覧の希望が入ることがあります。

特に居住中のマンションや一戸建てを売却する場合、

「どこまで掃除しておけばいい?」
「売主は内覧中に何をすればいい?」
「購入希望者に自分から説明した方がいい?」

など、初めての売却では分からないことも多いと思います。

内覧は、購入希望者が写真や間取り図だけでは分からない部分を実際に確認する機会です。

ただし、モデルルームのように完璧な状態にする必要はありません。

大切なのは、購入希望者が落ち着いて物件を確認できる状態をつくり、不動産会社と協力して対応することです。

この記事では、不動産売却の内覧前に準備すること、当日の売主の対応、内覧後に確認したいポイントを分かりやすく解説します。


■不動産売却の「内覧」とは?

内覧とは、購入を検討している人が実際に物件を見学することです。

不動産ポータルサイトなどで物件を見つけた購入希望者は、

・間取り
・室内の状態
・日当たり
・眺望
・収納
・設備
・周辺環境

などを実際に確認して購入を検討します。

居住中の物件では、売主が生活している状態で内覧を行うことも珍しくありません。

「住んでいる状態では売れないのでは?」と心配する必要はありません。

ただし、購入希望者が室内を確認しやすいように、ある程度準備しておくことが大切です。

査定から売買契約・引渡しまでにかかる期間はこちらで詳しく解説しています。

■内覧前に準備しておきたいこと

内覧が決まったら、まず室内を確認します。

特に意識したいのは、次のポイントです。

1. 室内を整理する

最初に行いたいのが整理整頓です。

荷物が多いと、実際の部屋より狭く感じることがあります。

特に、

・玄関
・リビング
・キッチン
・洗面所
・浴室
・収納

などは購入希望者が確認しやすい場所です。

不要なものを処分したり、一時的に荷物を整理したりして、室内を確認しやすくしておきましょう。

2. 水回りを掃除する

キッチン、洗面所、浴室、トイレなどの水回りは、汚れが目立ちやすい場所です。

特に、

・水垢
・カビ
・油汚れ
・排水口周辺

などは、できる範囲で掃除しておきます。

中古住宅ですので新品のようにする必要はありません。

しかし、通常の掃除で改善できる部分をきれいにしておくだけでも、室内の印象は変わります。

3. 玄関を整理する

購入希望者が最初に室内を見る場所が玄関です。

靴が大量に並んでいる場合は、使用しないものを収納しておきましょう。

玄関周辺に荷物が多い場合も、できる範囲で整理しておきます。

4. 室内を明るくする

内覧時は、カーテンやブラインドを開けて室内を明るくしておきましょう。

天候や時間帯によって室内が暗い場合は、照明もつけておきます。

購入希望者は日当たりも確認するため、無理に良く見せる必要はありません。

自然な状態で室内を確認してもらいましょう。

5. 換気をしておく

生活している本人は、自宅のにおいに気付きにくいことがあります。

内覧前には窓を開けるなどして換気しておきましょう。

特に、

・ペット
・タバコ
・料理
・生ごみ

などのにおいには注意します。

強い芳香剤で隠すより、換気や清掃を行う方が自然です。


■収納の中も見られる?

購入希望者から、

「クローゼットの中を見てもいいですか?」

と聞かれることがあります。

収納の広さや奥行きも、購入判断の材料になるためです。

そのため、可能であれば収納も確認できる状態にしておきましょう。

ただし、勝手に収納を開けられることに抵抗がある場合は、不動産会社へ事前に伝えておくと安心です。

また、

・貴重品
・現金
・重要書類
・個人情報が分かるもの

などは、内覧者から見えない場所へ保管しておきましょう。


■内覧当日に売主は何をすればいい?

居住中の物件では、売主が内覧に立ち会うことがあります。

ただし、売主が積極的に営業する必要はありません。

基本的には不動産会社の担当者に案内を任せます。

1. 購入希望者が自由に見られるようにする

購入希望者は、

「この家具を置けるかな」
「収納は足りるかな」
「リフォームするとしたらどうしよう」

などを考えながら室内を見ています。

売主が常に隣について説明すると、ゆっくり確認しにくくなることがあります。

質問されたときに答える程度にして、基本的には担当者へ案内を任せましょう。

2. 分からないことは無理に答えない

購入希望者から、

「この設備は何年前に交換しましたか?」
「隣の土地には何が建ちますか?」

などと質問されることがあります。

分からない場合は、無理に答える必要はありません。

曖昧な記憶で回答すると、後から説明と事実が違っていたという問題になる可能性があります。

分からないことは、「確認して不動産会社から回答します」としておく方が安全です。

3. 不具合などを隠さない

売却するために、物件の不具合を隠すことは避けましょう。

例えば、

・雨漏り
・給排水設備の不具合
・シロアリ被害
・建物の傾き
・設備の故障

など、売主が把握している事項については、不動産会社へ正確に伝えておくことが重要です。

どの事項をどのように買主へ説明するかは、不動産会社と事前に確認しておきましょう。


■売主から物件の良いところを説明してもいい?

実際に住んでいる売主だからこそ分かる情報もあります。

例えば、

・買い物に便利な場所
・交通の利便性
・収納の使い勝手
・日当たりの特徴
・リフォームした箇所

などです。

質問された場合は、実際の経験に基づいて答えて問題ありません。

ただし、

「絶対に静かです」
「将来も日当たりは変わりません」
「近隣トラブルは絶対ありません」

など、将来や第三者に関することまで断定するのは避けた方がよいでしょう。

事実として分かっている範囲で説明することが大切です。


■内覧中に売却理由を聞かれたら?

購入希望者から売却理由を聞かれることもあります。

例えば、「なぜ売却するのですか?」という質問です。

転勤、住み替え、相続など、説明して問題のない範囲で答えればよいでしょう。

ただし、価格交渉に影響しそうな事情など、どこまで購入希望者へ伝えるか迷う場合は、事前に不動産会社と相談しておく方法もあります。

一方、物件に関する重要な事実については、単なる「売却理由」とは別に適切な説明が必要になる場合があります。


■内覧時に値引き交渉をされたらその場で回答しない

内覧中に購入希望者から、「もう少し安くなりますか?」と聞かれることがあります。

その場で即答する必要はありません。

正式に購入を希望する場合は、購入申込書などで、

・購入希望価格
・手付金
・住宅ローンの利用
・契約希望日
・引渡し希望日

などの条件を確認します。

価格だけを見て判断するのではなく、購入条件全体を確認してから判断しましょう。

購入申込書(買付証明書)で売主が確認するポイントはこちらで詳しく解説しています。

■内覧後は購入希望者の反応を確認する

内覧が終わったら、不動産会社へ購入希望者の反応を確認してみましょう。

例えば、

・価格
・間取り
・室内の状態
・立地
・駐車場
・設備

などについて、どのような反応だったのかを確認します。

1組の意見だけで販売条件を変更する必要はありません。

しかし、複数の内覧者から同じ指摘が続く場合は、売却方法を見直す材料になります。

例えば、「価格が高い」という意見が何度も出るのであれば、周辺の競合物件や最近の成約事例を改めて確認する必要があるかもしれません。

不動産の査定価格がどのように決まるのかはこちらで詳しく解説しています。

■内覧は多いのに購入申込みが入らない場合

問い合わせや内覧は多いのに購入申込みにつながらない場合は、原因を確認する必要があります。

例えば、

・実際の室内が写真の印象と違う
・価格と物件状態が合っていない
・競合物件と比較されている
・建物の状態に不安がある
・購入条件に問題がある

などが考えられます。

一方、内覧以前に問い合わせ自体が少ない場合は、価格設定や広告の見せ方など別の原因も考えられます。

「売れないからすぐ値下げする」のではなく、

問い合わせが少ない
↓
内覧が少ない

問い合わせはある
↓
内覧もある
↓
申込みが入らない

というように、どの段階で止まっているのかを確認することが重要です。

不動産が売れない原因と見直すポイントはこちらで詳しく解説しています。

■内覧のためにリフォームする必要はある?

売却前に必ずリフォームをする必要はありません。

リフォームに費用をかけても、その金額をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限らないためです。

購入者自身が、「自分の好きな内装にリフォームしたい」と考えている場合もあります。

そのため、大きな費用をかける前に、

・そのまま売却する
・最低限の補修をする
・ハウスクリーニングをする
・リフォームして販売する

など、どの方法が適しているのか不動産会社と相談して判断しましょう。


■空き家の場合も清掃しておく

空き家で家具がない場合でも、何も準備しなくてよいわけではありません。

長期間使用していない住宅では、

・ほこり
・排水口のにおい
・庭の雑草
・郵便物
・蜘蛛の巣

などが目立つことがあります。

また、電気を停止している場合は、夕方以降や天候の悪い日に室内が暗くなり、確認しにくくなることがあります。

販売期間中の電気や水道をどうするのかについても、不動産会社と相談しておくとよいでしょう。

内覧や販売活動をできるだけ省きたい場合は、不動産買取と仲介の違いも確認してみてください。

■内覧で大切なのは「売り込むこと」ではない

内覧というと、

「購入希望者に気に入ってもらわなければ」と考えてしまうかもしれません。

しかし、売主自身が無理に物件を売り込む必要はありません。

大切なのは、

・室内を確認しやすい状態にする
・質問には分かる範囲で正確に答える
・不具合などを不動産会社へ正確に伝える
・購入希望者が落ち着いて確認できるようにする

ことです。

購入希望者にとって住宅購入は大きな判断です。

十分に確認してもらったうえで購入してもらうことは、売却後のトラブル防止にもつながります。


■よくある質問 Q&A

1. Q. 内覧前に家全体を大掃除する必要がありますか?

モデルルームのような状態にする必要はありません。

まずは玄関、水回り、リビングなど目につきやすい場所を中心に、整理整頓と通常の清掃を行いましょう。

2. Q. 居住中でも内覧できますか?

できます。

居住中の住宅を売却する場合は、売主と購入希望者の日程を調整して内覧を行うのが一般的です。

3. Q. 内覧中は売主も一緒について回った方がいいですか?

基本的には不動産会社の担当者へ案内を任せ、質問された場合に回答する程度でよいでしょう。

購入希望者が落ち着いて室内を確認できる環境をつくることが大切です。

4. Q. 内覧時に値下げをお願いされたらどうすればいいですか?

その場で回答する必要はありません。

購入申込みが入った段階で、購入希望価格や契約条件などを確認して判断しましょう。

5. Q. 内覧が何件入っても売れない場合は値下げした方がいいですか?

すぐに値下げする必要があるとは限りません。

内覧者の反応、競合物件、売出価格、物件状態などを確認し、申込みにつながらない原因を分析してから判断しましょう。


■まとめ

不動産売却の内覧では、売主自身が積極的に営業する必要はありません。

内覧前には、

・室内を整理する
・水回りを掃除する
・玄関を整える
・換気する
・室内を確認しやすい状態にする

など、基本的な準備をしておきましょう。

当日は不動産会社の担当者に案内を任せ、質問されたことに分かる範囲で正確に回答します。

また、内覧後は購入希望者の反応を確認することも重要です。

内覧が多いのに購入申込みが入らない場合は、価格や物件状態などに共通した原因がないか確認します。

内覧を単に「家を見てもらう場」と考えるのではなく、購入希望者の反応を確認して、その後の販売活動を改善する機会として活用することも大切です。

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