売主から手付解除する場合はいくら返す?「手付倍返し」の計算方法を解説

契約

不動産売買契約では、一定の条件を満たせば売主から手付解除できる場合があります。

このとき分かりにくいのが、

「手付金100万円を受け取っていたら、いくら買主に支払う?」

「100万円を返して、さらに100万円を支払う?」

「倍返しだから200万円とは別に手付金100万円も返す?」

という点です。

結論からいうと、手付金100万円を受領している場合、売主はその倍額となる200万円を現実に提供して手付解除するのが基本です。

つまり、200万円とは別に100万円を返すわけではありません。

■売主から手付解除する場合はいくら支払う?

例えば、「買主から100万円の手付金を受領している場合」です。

受領した手付金 100万円

手付金の倍額  200万円

売主が買主へ現実に提供する金額 =200万円

この200万円には、買主から受領した手付金100万円の返還分も含まれています。

そのため、

手付金の返還 100万円 + 倍額 200万円 = 300万円

ではありません。

手付金と手付解除の基本的な仕組みについては、「手付金とは?手付解除の仕組みと注意点をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

■実際の売主負担はいくら?

手付金100万円を受け取っていた場合、売主から見ると、

買主から受領済み +100万円

買主へ提供    -200万円

実質的な追加負担 -100万円

となります。

つまり、売主が自分のお金から追加で負担する金額は100万円です。

「倍返し」という言葉から、受領した100万円とは別に200万円を支払うと勘違いしやすいため注意しましょう。

■手付金の金額が違う場合は?

計算方法は同じです。

▼手付金50万円
→100万円を現実に提供

▼手付金100万円
→200万円を現実に提供

▼手付金200万円
→400万円を現実に提供

基本的には、受領した手付金の2倍の金額と考えると分かりやすいでしょう。

■倍額を支払えばいつでも解除できる?

手付金の倍額を支払えば、いつでも売主から解除できるわけではありません。

売主から手付解除する場合は、

・契約で定めた手付解除期日

・相手方が履行に着手しているか

・実際の売買契約書の内容

などを確認する必要があります。

手付解除できる期限については、「手付解除の期限はいつまで?契約書の『手付解除期日』を解説」で詳しく解説しています。

手付解除できる期限については、「手付解除の期限はいつまで?契約書の『手付解除期日』を解説」で詳しく解説しています。
手付解除期日を過ぎた場合については、「手付解除の期限を過ぎたらどうなる?解除できるケースも解説」で詳しく解説しています。

■よくある質問 Q&A

1. Q. 「手付金100万円」なら「300万円支払う」のですか?

いいえ。

手付金100万円の場合、倍額である200万円を現実に提供するのが基本です。

受領した100万円とは別に200万円を支払うという意味ではありません。

2. Q. 売主の実質的な負担はいくらですか?

手付金100万円を受領している場合、売主は買主に200万円を現実に提供します。

ただし、そのうち100万円はもともと買主から受け取った手付金を返還する部分です。そのため、売主が自ら追加で負担する金額は100万円となります。

買主から受領した手付金 100万円
+
売主が追加で負担する額 100万円
=
買主へ提供する額    200万円

3. Q. 手付金を使ってしまっていても解除できますか?

受領した手付金をすでに使っているかどうかにかかわらず、売主から手付解除する場合は必要となる金額を準備する必要があります。期限が定められている場合は、それまでに現実的に提供が必要になりますのでご注意ください。

4. Q. 手付金の倍額を支払えばいつでも解除できますか?

いつでも解除できるわけではありません。

手付解除期日や相手方の履行の着手、実際の売買契約書の内容などを確認する必要があります。

■まとめ

売主から手付解除する場合、受領した手付金が100万円であれば、基本的には200万円を買主へ現実に提供します。

手付金100万円
   ↓
倍額200万円を現実に提供
   ↓
売主の実質的な追加負担は100万円

「100万円を返して、さらに200万円を支払う」という意味ではありません。

ただし、倍額を提供すればいつでも解除できるわけではないため、実際に解除する場合は手付解除期日や履行の着手、売買契約書の内容を確認しましょう。

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