確定測量を行っていない土地でも、購入することは可能です。
ただし、確定測量がない場合は、土地の境界や正確な面積が確認できていない可能性があるため、購入前の確認が重要です。
特に、住宅を建築する予定がある場合は、境界の位置によって建築計画に影響することもあります。
確定測量を行わずに購入する場合は、どのような資料が残っているのか、境界について売主からどのような説明を受けられるのかを確認しましょう。
■確定測量なしでも土地は購入できる?
土地の売買において、確定測量を行うことが法律上一律に義務付けられているわけではありません。
そのため、売主・買主双方が合意すれば、確定測量を行わずに土地を売買することも可能です。
ただし、確定測量がない土地でも、境界に関する資料がまったく存在しないとは限りません。
例えば、過去の「測量図」や「隣地所有者との境界確認書」が残っている場合があります。
確定測量を今回行わないことと、境界がまったく分からないことは別の問題です。
■確定測量なしで土地を購入する際の確認事項
1. 「過去の測量図」が残っているか
まず、売主が保管している測量図や法務局に備え付けられている地積測量図の有無を確認しましょう。
【確認したい資料】
・地積測量図(法務局に備え付けられている土地の測量図)
・過去の確定測量図(隣地所有者等との境界確認を経て作成された測量図)
・現況測量図(隣地所有者との境界確定を行ってない)
・境界確認書(隣地所有者と境界の場所を特定し確認した書類)
・道路境界に関する資料
地積測量図が存在していても、作成された時期や測量精度、隣地との境界確認状況などは異なります。
そのため、地積測量図があるという理由だけで、すべての境界が確定しているとは判断できません。
地積測量図は、作成された時期によって測量方法や精度が異なります。古い地積測量図については、現在の測量方法と異なる場合があるため注意が必要です。また、地積測量図が法務局に備え付けられていても、隣地所有者との境界確認が行われているとは限りません。作成時期だけで判断せず、測量図の内容や境界確認書の有無を確認することが重要です。
2. 境界標が設置されているか
現地で「境界標の有無」を確認することも重要です。
境界標には、金属プレートやコンクリート杭などがあります。
ただし、境界標が設置されていても、その位置が正しいかどうかは、過去の測量図や境界確認資料などと照合する必要があります。
また、境界標が見当たらない場合でも、過去の資料から位置を確認できる場合があります。
3. 売主から境界の説明を受けられるか
確定測量を行わない場合でも、「売主が認識している境界」について説明を受けておきましょう。
特に、次の点を確認することが重要です。
【境界について確認すること】
・売主が認識している境界の位置
・境界標の有無
・隣地所有者との境界トラブルの有無
・塀やフェンスなどの越境の有無
・過去に境界について協議した経緯
なお、売主から境界の説明を受けたことと、隣地所有者との間で境界が確認されていることは異なります。
売主の説明だけで境界が確定するわけではない点に注意しましょう。売主への聞き取りによって、過去の隣地との境界トラブルや、越境・被越境・空中越境などが判明する場合もあります。また、将来の相続や売却に備え、土地の境界や隣地との過去の経緯について、事情を知る家族に確認しておくことも大切です。
4. 「登記面積」と「実際の面積」に違いがないか
土地の登記簿に記載されている面積を「公簿面積」といいます。
確定測量を行わず、公簿面積を基準として売買することもあります。
例えば、次のような場合です。
【例】
登記簿の面積:200㎡
後日測量した面積:195㎡
面積の差:5㎡
公簿面積を基準として売買し、面積差による売買代金の精算を行わない契約では、後から面積の差が判明しても、その差だけを理由に代金の増減を請求できない取り決めになっている場合があります。
ただし、公簿売買であれば、面積や境界に関するすべての問題について売主が責任を負わないという意味ではありません。
契約書の内容を確認する必要があります。
中古戸建ての売買では、登記簿上の面積を基準とする「公簿売買」が多く採用されています。ただし、公簿売買であっても、境界の明示や確定測量を行う契約があります。
5. 建築計画に影響がないか
住宅の建築を予定している場合は、「境界の位置」や「敷地面積」が建築計画に影響する可能性があります。
特に、敷地に余裕がない場合は注意が必要です。
【建築前に確認したいこと】
・建築予定の建物が敷地内に収まるか
・建ぺい率・容積率に問題がないか
・道路との境界や接道状況
・セットバックの必要性
・隣地との離隔距離
確定測量がないことで建築計画に必要な敷地条件を確認できない場合は、購入前に建築会社や土地家屋調査士などへ相談しましょう。
■確定測量を行わない場合、契約書で確認したいこと
確定測量なしで購入する場合は、売買契約書にどのような取り決めがあるか確認する必要があります。
特に重要なのは、次の3点です。
① 売主が確定測量を行う義務があるか
② 境界標の設置や境界の明示をどのように取り扱うか
③ 登記面積と実測面積に差があった場合、売買代金を精算するか
例えば、売主が確定測量を行わず、既存の境界標や資料に基づいて境界を説明する取り決めも考えられます。
一方、境界の明示や測量を一切行わない契約もあります。
「確定測量なし」という説明だけで判断せず、売主がどこまで対応する契約なのかを明確にしておくことが大切です。
■よくある質問(Q&A)

Q1. 確定測量がない土地は購入しない方がよいですか?
確定測量がないという理由だけで、購入を避ける必要があるとは限りません。
過去の測量資料や境界標の状況、隣地との関係などを確認したうえで判断することが重要です。
隣地との境界トラブルがなく、境界標や過去の測量資料などから土地の状況を確認できる場合は、確定測量を行わずに公簿売買で購入することも考えられます。
Q2. 地積測量図があれば確定測量は不要ですか?
必ずしもそうではありません。
地積測量図の作成時期や内容によっては、現在の境界状況を十分に確認できない場合があります。
古い地積測量図は、現在の測量精度と異なる場合があるため、作成日だけでなく、測量方法や境界標の記載内容なども確認しましょう。
面積のみ気になる場合は「仮測量(現況測量)」のみ依頼してもよいかもしれません。
Q3. 購入後に確定測量を行うことはできますか?
可能です。
ただし、隣地所有者との立会いや境界確認が必要になる場合があり、費用(一般的な住宅地では40万円~50万円程度が一つの参考額ですが、土地の面積や形状、隣地所有者の数、道路境界の確認の要否、境界標の設置数などによって異なります)や時間がかかることがあります。
また、隣地所有者と境界の認識が異なる場合は、測量を依頼しても円滑に確認できるとは限りません。
Q4. 確定測量なしで購入すると住宅ローンに影響しますか?
金融機関によっては、土地の境界や担保評価に関する資料の提出を求める場合があります。
確定測量がないことだけで必ず融資を受けられなくなるわけではありませんが、購入前に金融機関へ確認しておくと安心です。
■まとめ
確定測量を行っていない土地でも、購入することは可能です。
ただし、購入後に境界や面積の問題が判明すると、建築計画や将来の売却に影響する可能性があります。
購入前には、過去の測量資料、境界標の状況、売主の境界説明、契約書の取り決めを確認しましょう。
特に住宅の建築を予定している場合は、建築に必要な敷地条件が確認できるかどうかが重要です。
確定測量の基本的な仕組みについては、境界確定測量とは?不動産売却で測量が必要になるケースを解説も参考にしてください。
また、隣地所有者が立会いに応じないなど、確定測量ができない場合については、確定測量ができない土地は売却できる?隣地が立会わない場合も解説で解説しています。



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