不動産売買契約では、「手付解除期日」が定められていることがあります。
では、その期限を過ぎてから、
「やっぱり購入をやめたい」
「手付金を放棄すれば解除できる?」
「期限を1日過ぎただけでもダメ?」
となった場合はどうなるのでしょうか。
結論からいうと、契約で定めた手付解除の期限を過ぎると、原則として手付金を放棄するだけでは手付解除できません。
ただし、手付解除ができないことと、売買契約を一切解除できないことは別です。
この記事では、手付解除の期限を過ぎた場合にどうなるのか、期限後でも解除できるケースがあるのかを解説します。
■手付解除の期限を過ぎたらどうなる?
売買契約書に「手付解除期日」が定められている場合、その期限を過ぎると、原則として手付解除はできなくなります。
例えば、
手付金 100万円
手付解除期日 10月15日
解除の申出 10月20日
この場合、買主が、
「手付金100万円は返してもらわなくていいので契約を解除します」
と申し出ても、手付金を放棄するだけで一方的に手付解除できるとは限りません。
「手付解除の期限について」は、こちらの記事で詳しく解説しています。
■期限後は手付金を放棄しても解除できない?
ここは勘違いしやすいところです。
手付金を放棄する
=いつでも契約を解除できる
というわけではありません。
手付解除ができる期間を過ぎている場合は、「手付金を返してもらわなければ解除できる」という考え方はできません。
期限を過ぎて契約を解除したい場合は、手付解除以外の解除理由がないか、売買契約書を確認する必要があります。
■期限を過ぎても解除できるケースはある?
あります。
手付解除の期限を過ぎたからといって、すべての解除方法がなくなるわけではありません。
例えば、
・「住宅ローン特約」の条件に該当する
・「相手方に契約違反」がある
・売主と買主が「合意して解除」する
・その他、契約で定められた「解除条件に該当」する
などです。
重要なのは、
手付解除ができない
↓
契約を一切解除できない
ではないということです。
ただし、どのような理由でも自由に解除できるわけではありません。
手付解除期日を過ぎた後は、売買契約書の解除条項を確認して判断する必要があります。
住宅ローン特約についてはこちらで詳しく解説しています。
■売主が宅建業者の場合は注意
「売主が宅建業者」で、「買主が宅建業者」ではない場合は注意が必要です。
この取引では宅地建物取引業法による特別なルールがあり、買主に不利となる手付解除の特約が無効になる場合があります。
そのため、
契約書の手付解除期日を過ぎた
↓
絶対に手付解除できない
と一律に判断することはできません。
売主が宅建業者の場合は、通常の個人間売買とは分けて確認する必要があります。
■よくある質問 Q&A

1. Q. 手付解除期日を1日過ぎただけでもダメですか?
契約で手付解除期日を定めている場合は、原則として期限を過ぎれば手付解除できません。
「1日だけだから大丈夫」とは考えないようにしましょう。
2. Q. 手付金を返してもらわなければ解除できますか?
期限後は、手付金を放棄するだけで一方的に手付解除できるとは限りません。
別の解除理由があるかを確認する必要があります。
3. Q. 住宅ローンに落ちた場合も解除できませんか?
住宅ローン特約がある場合は、手付解除とは別に判断します。
住宅ローン特約の条件と解除期限を確認しましょう。
4. Q. 売主が了承してくれれば解除できますか?
売主と買主が合意すれば、合意解除できる場合があります。
その場合は、手付金や違約金などの取り扱いについても双方で確認します。
■まとめ
手付解除の期限を過ぎると、原則として手付金を放棄するだけでは手付解除できません。
ただし、
手付解除期日を過ぎた
↓
すべての契約解除ができなくなる
という意味ではありません。
住宅ローン特約、契約違反、双方の合意など、別の理由によって解除できる場合があります。
ほとんどの契約には
手付解約+住宅ローン特約(解除)+契約違反(違約金、売買代金の10~20%)
の特約が付いていることがほとんどです。
そのため、期限後に契約を解除したくなった場合は、「手付金を諦めれば解除できる」と自己判断せず、まず売買契約書の解除条項を確認することが重要です。


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