境界確定測量とは?不動産売却で測量が必要になるケースを解説

境界・土地

土地や戸建てを売却するとき、不動産会社から、

「境界は確定していますか?」
「確定測量が必要です」
「境界標が見当たりません」

などと言われることがあります。

初めて不動産を売却する方からすると、

「そもそも境界って何?」
「測量は必ずしないといけないの?」
「費用は誰が負担するの?」

と疑問に思われるかもしれません。

境界確定測量とは、土地家屋調査士が土地を測量し、隣接する土地の所有者などと境界を確認して、土地の境界を明確にするための手続きです。

ただし、不動産を売却するときに必ず確定測量をしなければならないわけではありません。

この記事では、境界確定測量とは何か、どのような場合に必要になるのか、費用や期間について分かりやすく解説します。


① そもそも土地の「境界」とは?

土地には、

それぞれ土地家屋調査士が隣の土地や道路との境があります。

「この土地」と「隣の土地」との境を「境界」といいます。

現地では、

・コンクリート杭
・金属標
・金属鋲
・石杭

などの境界標が設置されていることがあります。

しかし、古い土地などでは、

・「境界標が見つからない」
・「ブロック塀があるけれど、そこが境界なのか分からない」
・「登記されている土地の面積と実際の測量結果が違う」

といったこともあります。

そのため、不動産売却では現在の境界がどのような状態になっているのか確認することがあります


② 「確定測量」とは?

▼確定測量では、

土地家屋調査士が現地を測量するだけではなく、資料の調査などを行い、隣接する土地の所有者などと境界について確認していきます。

▼一般的には、

資料調査

現地測量

境界の確認

隣接地所有者などとの立会い

境界標の確認・設置

確定測量図などの作成

という流れで進みます。

土地が道路に接している場合には、道路との境界について行政などとの確認が必要になることもあります。

単純に土地の寸法を測るだけではなく、

隣接地との境界を確認していくことが確定測量の重要なポイントです。


③ 「現況測量」と「確定測量」は何が違う?

測量には「現況測量」と呼ばれるものもあります。

簡単に分けると、

現況測量

現地にある境界標や塀などの状況をもとに土地を測量し、現在の土地の形状や面積などを確認します。

確定測量

測量だけでなく、隣接する土地の所有者などとの境界確認を行い、境界を明確にしていきます。

そのため、現況測量をした=隣地との境界が確定したとは限りません。

不動産売却で「測量済み」と言われた場合には、どのような測量が行われているのかを確認しておきましょう。


④ 不動産を売却するとき確定測量は必ず必要?

必ず必要というわけではありません。

不動産売買では、契約条件によっては現況のまま売買することもあります。

一方で、

・境界標がない
・境界が不明確
・古い土地で測量資料がない
・登記面積と実際の面積に差がありそう
・隣地との境界について問題がある
・土地を分筆して売却する

などの場合には、確定測量が必要になったり、実施を検討した方がよいケースがあります。

また、買主から境界を明示した状態で引き渡してほしいという条件が出ることもあります。

そのため、売却する土地の状況と売買契約の条件を確認して判断します。


⑤ 「境界明示」とは?

不動産売買では、「境界明示」という言葉もよく使われます。

これは、売主が買主に対して、「この土地の境界はここです」と現地で境界を示すことです。

例えば、

「この金属標が境界です」
「ここにあるコンクリート杭が境界です」

と確認します。ただし、

境界標があること」と「境界が法的・客観的に確定していること」は必ずしも同じではありません。

古い境界標の場合には、現在の資料や測量結果と一致しているか確認が必要になる場合もあります。


⑥ 確定測量は誰に依頼する?

土地の境界確定や土地の表示に関する登記などを行う専門家が土地家屋調査士です。

不動産を売却する際に確定測量が必要になった場合には、土地家屋調査士へ依頼するのが一般的です。

不動産会社から土地家屋調査士を紹介してもらうこともあります。

測量を依頼すると、

・登記簿
・公図
・地積測量図
・過去の測量資料
・現地の境界標

などを確認しながら調査が進められます。


⑦ 確定測量にはどのくらい時間がかかる?

確定測量は、依頼してすぐに完了するとは限りません。

現地測量だけでなく、隣接地所有者との立会い道路などの官有地との境界確認が必要になる場合があるためです。

土地の状況によっては数か月かかることもあります。

特に、

・隣地所有者と連絡が取れない
・相続によって隣地所有者が複数いる
・遠方に住んでいる所有者がいる
・境界について意見が一致しない
・道路との境界確認に時間がかかる

といった場合には、さらに時間が必要になる可能性があります。

Q. 隣の人が境界立会いに応じてくれない場合は?

確定測量に時間がかかったり、通常の方法では境界を確認できなかったりする可能性があります。

売却予定がある場合には、まず土地家屋調査士へ早めに相談しましょう。

また、筆界が明らかでない場合には、状況によって法務局の「筆界特定制度」などを利用する方法もあります。

筆界特定制度とは、土地が登記された際に定められたもともとの筆界を、調査・測量などを行ったうえで法務局が明らかにする制度です。


⑧ 確定測量の費用はいくら?

確定測量の費用は、一律ではありません。

例えば、

・土地の広さ・形状
・隣接する土地の数
・境界標の有無
・道路との境界確認の有無
・必要となる資料
・境界の状況

などによって変わります。

そのため、売却前に土地家屋調査士へ見積もりを依頼して確認するのが確実です。

また、売買契約で売主が確定測量を行うことになっている場合には、測量費用も売却に必要な費用として事前に考えておく必要があります。


⑨ 登記簿の面積と測量した面積が違ったら?

登記簿に記載されている土地の面積を「登記簿面積(公簿面積)」といいます。

一方、実際に測量して求めた面積を「実測面積」といいます。

古い土地などでは、公簿面積と実測面積が一致しないことがあります。

例えば、登記簿:200㎡実測:205㎡となるケースです。

この場合、売買契約をどのような方法で行うかによって取り扱いが変わります

「売買代金」を登記簿面積を基準として決め、面積に差があっても代金を変更しない方法や、実測結果をもとに清算する方法などがあります。

そのため、土地を売却する場合には、公簿売買なのか実測売買なのかについても契約内容を確認しておきましょう。


⑩ 境界が確定できない場合はどうなる?

確定測量を依頼したからといって、必ず境界が確定できるとは限りません。

例えば、

隣地所有者が境界に同意しない隣地所有者と連絡が取れない境界について争いがある

などの場合です。

売買契約で、「売主が引渡しまでに確定測量を行う」という条件になっている場合、境界を確定できなければ契約や引渡しに影響する可能性があります。

そのため、境界に問題がありそうな土地では、売買契約を締結する前に測量の状況を確認しておくことが重要です。


よくある質問 Q&A

Q. 境界標が全部あれば確定測量は不要ですか?

必ずしもそうとは限りません。境界標があっても、その境界標が現在の境界を正しく示しているのか確認が必要になる場合があります。過去の確定測量図や境界確認書などの資料が残っているかも確認するとよいでしょう。

Q. 確定測量をしないと土地は売却できませんか?

必ずしも確定測量が必要というわけではありません。土地の状況や買主との売買条件によって、確定測量を行わずに売却する場合もあります。

Q. 測量費用は「売主」と「買主」のどちらが負担しますか?

契約条件によって異なります。

売主が確定測量を行ったうえで引き渡す契約であれば、売主が費用を負担する形が一般的ですが、誰が負担するかは売買契約の内容を確認する必要があります。

Q. 隣の人が境界立会いに応じてくれない場合は?

確定測量に時間がかかったり、境界を確定できなかったりする可能性があります。

売却予定がある場合には、土地家屋調査士や不動産会社へ早めに相談しておきましょう。


まとめ

境界確定測量とは、土地を測量するだけでなく、隣接する土地の所有者などと境界を確認し、土地の境界を明確にするための手続きです。

不動産売却で必ず行わなければならないわけではありませんが、

境界標がない
・境界が分からない
・古い土地で測量資料がない
・土地を分筆する

などの場合には、確定測量が必要になることがあります。

また、確定測量には隣地所有者との立会いや行政との確認が必要となり、時間がかかる場合があります。

土地の売却を考えている場合には、まず、

境界標があるか
過去の測量図があるか
境界確認書などが残っているか

を確認しておくとよいでしょう。

売却直前になって境界の問題が判明すると、決済・引渡しのスケジュールにも影響する可能性があります。

そのため、土地を売却する場合には、早い段階で境界の状況を確認しておくことが重要です。

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