未登記の増築部分がある家は売却できる?売却前に確認すること

建築・法規

中古住宅を売却しようとした際に、増築した部分が登記されていないことが判明する場合があります。

「増築部分が未登記でも売却できるの?」「売却する前に登記が必要なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

結論からいうと、未登記の増築部分がある家でも売却することは可能です。

ただし、買主が住宅ローンを利用する場合には、増築部分の登記を求められることがあり、建築基準法への適合状況によっては売却に影響する場合もあります。

この記事では、増築部分が未登記の家を売却する際に確認しておきたいことを解説します。

■未登記の増築部分があっても売却できる?

増築部分が未登記であることだけを理由に、不動産の売却が禁止されるわけではありません。

例えば、次のようなケースです。

登記されている建物の床面積 100㎡

実際の建物の床面積    120㎡

未登記の増築部分     20㎡

この場合、増築した20㎡が登記に反映されていない可能性があります。

ただし、建物の登記内容と現況が異なるため、売却時にはその理由を確認する必要があります。

また、未登記部分があることを買主に説明し、登記を行うかどうかについても事前に取り決めておくことが大切です。

■増築部分が未登記の場合、登記は必要?

建物を増築して床面積などの登記事項に変更が生じた場合、不動産登記法では、原則として変更があった日から1か月以内に変更登記を申請する義務があります。

一般的な増築では「建物表題部変更登記」を行います。

ただし、増築部分の構造や建物との接続状況などによって、必要な登記の種類が異なる場合があります。

そのため、未登記の増築部分がある場合は、土地家屋調査士に相談して登記方法を確認しましょう。

売買契約前に必ず登記を完了しなければならないというわけではありませんが、登記義務がなくなるわけではありません。

売却する場合は、引渡しまでに売主が登記を行うのか、買主が了承したうえで引き継ぐのかなど、対応を明確にする必要があります。

■未登記の増築部分があると住宅ローンに影響する?

未登記の増築部分がある場合、買主の住宅ローン審査に影響することがあります。

住宅ローンの仮審査では、物件資料などをもとに審査が行われることがあり、未登記の増築部分について十分に確認されていない場合があります。

そのため、仮審査では承認されていても、本審査で未登記の増築部分が判明し、追加資料の提出や登記を求められたり、融資が承認されなかったりするケースもあります。

金融機関は融資にあたり、担保となる不動産の状況や価値などを確認するため、建物の登記内容と現況の相違が審査に影響することがあります。

未登記の増築部分がある場合は、仮審査の段階から金融機関にその事実を伝え、融資に問題がないか確認しておくことが重要です。

仮審査時には、建物や土地の詳細が物件資料からしか読めず、本審査時に契約書等を見て金融機関も初めて知る事になり、本審査の承認が通らないケースもございます。建物に担保(抵当権)を金融機関がつけるので、価値がしっかりあるのか?を見極めたいはずです。

その懸念点を少しでも感じれば仮審査に事前に銀行へご相談をされてください。確認をとっておいた方がよいかもしれません。

住宅ローン審査に通らない理由については、「住宅ローン審査に落ちる理由は?仮審査・本審査に通らなかった場合の対処法」で詳しく解説しています。

■未登記の増築部分がある場合に確認すること

売却前には、次の内容を確認しておきましょう。

・建物の「登記床面積」と「現況」の相違

・「増築した時期」と「増築部分の面積」

・「増築時の建築確認の要否」と「履歴」

・「建ぺい率」や「容積率」への影響

・増築部分の所有者

・「増築部分の登記方法」と「費用」

特に注意したいのは、未登記であることと、建築基準法に適合しているかどうかは別の問題という点です。

増築部分を登記できたとしても、その増築が建築基準法に適合していることまで証明されるわけではありません。

建築確認が必要だった増築について、確認を受けずに工事を行っていた場合などは、別途確認が必要になります。

建築確認済証がない場合の調査方法については、「建築確認済証がない家は売却できる?紛失した場合の確認方法を解説」で詳しく解説しています。
検査済証がない建物の売却については、「検査済証がない家は売却できる?ない場合に確認しておきたいこと」で詳しく解説しています。

■未登記部分は売主が登記してから引き渡すべき?

買主が住宅ローンを利用する場合は、金融機関から引渡しまでに増築部分の登記を求められることがあります。

そのため、売主が登記を完了してから引き渡す方法が一般的です。

一方で、買主が未登記部分の存在を了承し、金融機関の融資条件などにも問題がなければ、未登記の状態で売買するケースもあります。

ただし、その場合でも登記義務や建物の適法性の問題が解消されるわけではありません。

売買契約では、次の事項を明確にしておくことが重要です。

・未登記部分の位置と面積

・登記を行うかどうか

・登記を行う場合の期限

・登記費用の負担者

・未登記部分について確認できている事項

売主と買主の認識に違いが生じないよう、不動産会社を通じて事前に取り決めておきましょう。

■よくある質問 Q&A

1. Q. 増築部分が未登記でも売却できますか?

はい。未登記部分がある家でも売却することは可能です。

ただし、住宅ローンの利用や建築基準法への適合状況などによって、売却条件に影響する場合があります。

2. Q. 未登記の増築部分は必ず登記しなければなりませんか?

増築によって建物の床面積などの登記事項が変更された場合は、原則として変更登記の申請義務があります。

登記方法については、土地家屋調査士へ確認しましょう。

3. Q. 未登記部分があると住宅ローンは利用できませんか?

必ずしも利用できないわけではありません。

ただし、金融機関から増築部分の登記を求められる場合があるため、事前確認が必要です。

4. Q. 未登記部分を登記すれば違法建築ではなくなりますか?

いいえ。登記と建築基準法への適合性は別の問題です。

未登記部分を登記しても、建築基準法上の問題が自動的に解消されるわけではありません。

■まとめ

未登記の増築部分がある家でも、不動産の売却は可能です。

ただし、増築部分が登記されていない場合、買主の住宅ローン審査や建物の適法性の確認などに影響することがあります。

売却前には、登記内容と建物の現況を比較し、増築部分の面積や建築確認の履歴などを調べておきましょう。

未登記部分をどのように取り扱うかについて、売主と買主の間で事前に確認しておくことが大切です。

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