中古住宅を売却しようとした際に、検査済証が見つからず「検査済証がない家でも売却できるの?」と不安になる方もいると思います。
結論からいうと、検査済証がない家でも売却することは可能です。
ただし、検査済証を紛失しただけなのか、そもそも交付されていないのかによって、確認すべき内容が異なります。
この記事では、検査済証がない家を売却するときに確認しておきたいことを解説します。
■検査済証がない家でも売却できる?
検査済証がないことだけを理由に、不動産の売却が禁止されるわけではありません。
検査済証とは、建物の工事完了後に行われる完了検査に合格した際に交付される書類です。
そのため、検査済証がない場合には、建物が完了検査を受けているかどうかを確認することが重要です。
また、検査済証がない理由には、主に次のようなケースがあります。
・検査済証が交付されたが、紛失している
・建築確認は受けたが、完了検査を受けていない
・完了検査を受けたものの、検査済証が交付されていない
・建築当時、建築確認が必要な建物ではなかった
検査済証が手元にないことと、建物が違法建築であることは同じではありません。
まずは建築当時の状況や検査の履歴を確認しましょう。
■検査済証がない場合に確認しておきたいこと

1. 建築確認と完了検査の履歴を調べる
最初に確認したいのは、建物の建築確認と完了検査の履歴です。
建物の所在地を管轄する行政庁などで、建築確認台帳や建築計画概要書を確認できる場合があります。
確認しておきたい内容は次のとおりです。
・建築確認を受けているか
・確認済証の交付年月日と番号
・完了検査を受けているか
・検査済証の交付年月日と番号
検査済証が交付されていた記録があれば、書類を紛失していても、交付履歴を確認することができます。
売却前に準備しておきたいその他の資料については、「不動産売却に必要な書類は?査定・売買契約・決済までに準備するものを解説」で詳しく解説しています。
2. 台帳記載事項証明書を取得できるか確認する

検査済証を紛失した場合、行政庁などで「台帳記載事項証明書」を取得できることがあります。
これは、建築確認や検査済証の交付履歴など、台帳に記録されている事項を証明する書類です。
ただし、台帳記載事項証明書は検査済証そのものを再発行するものではありません。
また、古い建物などでは記録が残っておらず、証明書を取得できない場合もあります。
3. 建築当時に建築確認が必要だったか確認する
古い建物の場合は、建築当時に建築確認が必要だったかどうかも重要です。
建築確認の要否は、建築当時の法令や区域指定、建物の規模などによって異なります。
例えば、建築当時は都市計画区域外などにあり、建築確認が必要なかった建物もあります。
このような建物について、現在の基準だけで建築確認や検査済証の有無を判断することは適切ではありません。
建物の新築年月日や当時の区域指定などを調べ、必要に応じて行政庁へ確認しましょう。
4. 増改築や建物の現況を確認する
建築当時に検査済証が交付されていても、その後に増築や改築が行われている場合があります。
例えば、次のようなケースです。
・建物の一部を増築している
・車庫や部屋を増設している
・建築当時の図面と現在の建物が異なる
・必要な建築確認を受けずに増改築している
検査済証の交付履歴があっても、その後の増改築を含めて現在の建物全体が法令に適合していることまで証明されるわけではありません。
売却前に、建築当時の図面や登記事項証明書と建物の現況を確認しておくことが大切です。
■検査済証がないと住宅ローンに影響する?
検査済証がない建物は、買主の住宅ローン審査に影響する場合があります。
金融機関によっては、融資審査の際に検査済証や台帳記載事項証明書などの提出を求めることがあります。
特に、検査済証の交付履歴が確認できない建物や、建築基準法への適合状況に問題がある建物では、融資条件が厳しくなることもあります。
ただし、検査済証がないからといって、必ず住宅ローンが利用できないわけではありません。
融資の取扱いは金融機関や物件の状況によって異なるため、買主が住宅ローンを利用する場合は、事前に確認しておくことが重要です。
住宅ローン審査に通らない理由については、「住宅ローン審査に落ちる理由は?仮審査・本審査に通らなかった場合の対処法」で詳しく解説しています。
■検査済証がないことは買主に伝える必要がある?
検査済証がない場合は、その状況を買主へ正確に説明しておくことが大切です。
特に、次のような内容は整理しておきましょう。
・検査済証の原本がないこと
・検査済証の交付履歴の有無
・建築確認の履歴の有無
・行政庁などへの調査結果
・増改築の履歴や把握している不具合
ここで重要なのは、「検査済証を紛失した」と「検査済証が交付されていない」を区別することです。
交付履歴が確認できない場合も、交付されていないと断定せず、調査で確認できた事実を正確に伝える必要があります。
売却後のトラブルを防ぐためにも、不明な点を曖昧にせず、不動産会社と情報を共有しておきましょう。
中古住宅の売却後に問題が判明した場合の売主の責任については、「契約不適合責任とは?中古住宅を売却するときの売主の責任と注意点を解説」で詳しく解説しています。
■よくある質問 Q&A

1. Q. 検査済証がない家は違法建築ですか?
いいえ。検査済証がないという理由だけで、違法建築と判断することはできません。
書類の紛失や建築当時の制度など、さまざまな事情が考えられます。
2. Q. 検査済証は再発行できますか?
検査済証そのものは再発行できません。
ただし、交付履歴が残っている場合は、台帳記載事項証明書などを取得できることがあります。
3. Q. 検査済証がないと住宅ローンは利用できませんか?
必ずしも利用できないわけではありません。
金融機関によって審査基準が異なるため、物件の状況を説明したうえで確認する必要があります。
4. Q. 検査済証がない古い家でも売却できますか?
はい。売却することは可能です。
ただし、建築当時の建築確認の要否や建物の現況などを調べ、買主へ正確に説明しておくことが大切です。
■まとめ
検査済証がない家でも、不動産の売却は可能です。
ただし、検査済証がない理由によって、買主の住宅ローン審査や購入後の増改築などに影響する場合があります。
売却前には、建築確認や完了検査の履歴、台帳記載事項証明書の取得可否、増改築の有無などを確認しておきましょう。
検査済証がないこと自体よりも、その理由や建物の状況を正確に把握し、買主へ説明することが重要です。



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